AI Paper English F.o.R.

人工知能(AI)に関する論文を英語リーディング教本のFrame of Reference(F.o.R.)を使いこなして読むブログです。

Adam | Abstract 第2文

The method is straightforward to implement, is computationally efficient, has little memory requirements, is invariant to diagonal rescaling of the gradients, and is well suited for problems that are large in terms of data and/or parameters.

 

Diederik P. Kingma, et al., "Adam: A Method for Stochastic Optimization"

https://arxiv.org/abs/1412.6980

学習を最適化させるアルゴリズムとして近年よく使われているAdamの論文である"Adam: A Method for Stochastic Optimization"のAbstractの第2文について、英語リーディング教本のFrame of Reference(F.o.R.)を使って英文構造を解読します。

 

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「この手法は実行するのが簡単で、計算的に効率が良く、必要メモリもほとんどなく、勾配の対角リスケーリングに対して不変であり、データおよび/またはパラメータに関して大きい問題によく適している。」 

 

この文は実は特殊な英文です。なぜなら、この文はF.o.R.の基本に従わない英文だからです。つまり、英語リーディング教本 および英語構文のエッセンス Stage-1に記載されているF.o.R.によって8割の英文は正確に構文を把握することが可能とされていますが、この英文にはその範囲外である2割に該当する構文が用いられています。

 

具体的には、この英文では「目的語が足りない不定詞」が使われており、英語構文のエッセンス Stage-2で説明されている内容です。

 

ここではto implementの目的語が足りません。主語であるThe methodがto implementの意味上の目的語O'になります。straightforwardは形容詞で補語ですので、to implementは形容詞を修飾する不定詞に該当し、

 

S is 形容詞 to -

Sは、-するという点で形容詞が表す性質を持っている

 

という意味を表します。したがって、その部分のみをより厳密に訳すると、

 

「この手法は実行するのが簡単という性質を持っている。

 

というように、提案するAdamが最適化において広く使いやすいという一般的な性質があることを論文著者がアピールしたい一文であることが伺えます。

 

 

また、この文は主節の述語動詞の数が多いのも特徴の一つです。

主語は"The method"で、主節の述語動詞は、"is", "is", "has", "is", "is suited"の5つです。文を分解すると次のようになります。

 

"The method is straightforward to implement."

"The method is computationally efficient."

"The method has little memory requirements."

"The method is invariant to diagonal rescaling of the gradients"

"The method is well suited for problems that are large in terms of data and/or parameters"

 


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