AI Paper English F.o.R.

人工知能(AI)に関する論文を英語リーディング教本のFrame of Reference(F.o.R.)を使いこなして読むブログです。

Grad-CAM++ | Abstract 第4文

Building on a recently proposed method called Grad-CAM, we propose a generalized method called Grad-CAM++ that can provide better visual explanations of CNN model predictions, in terms of better object localization as well as explaining occurrences of multiple object instances in a single image, when compared to state-of-the-art.

 

Aditya Chattopadhyay, et al., "Grad-CAM++: Improved Visual Explanations for Deep Convolutional Networks"

https://arxiv.org/abs/1710.11063

Grad-CAMをより一般化したものとされるGrad-CAM++の論文である"Grad-CAM++: Improved Visual Explanations for Deep Convolutional Networks"のAbstractの第4文について、英語リーディング教本のFrame of Reference(F.o.R.)を使って英文構造を解読します。

 

f:id:AI-paper-FoR:20190726153554p:plain

 

「最近提案されたGrad-CAMと呼ばれる手法を基にして、我々は、最先端技術(SOTA)と比較したときに、より良い物体位置特定に関してはもちろん、一つの画像の中で複数のオブジェクトインスタンスの発生を説明することに関しても、CNNモデルの予測のより良い視覚的な説明を提供するGrad-CAM++と呼ばれる一般化された手法を提案する。」 

 

この文は実は特殊な英文です。なぜなら、この文はF.o.R.の基本に従わない英文だからです。つまり、英語リーディング教本 および英語構文のエッセンス Stage-1に記載されているF.o.R.によって8割の英文は正確に構文を把握することが可能とされていますが、この英文にはその範囲外である2割に該当する構文が用いられています。

 

具体的には、この英文では「従属節の短縮形」が使われており、英語構文のエッセンス Stage-2で説明されている内容です。名詞節、形容詞節、副詞節にはそれぞれ定型的な短縮形があります。ここではwhenからstate-of-the-artまでの副詞節が短縮形になっています。

 

when, while, if, thoughなどの副詞節を作る従属節属詞の次に、主語+be動詞が省略されることがあります。それが副詞節の短縮形です。

 

この文での副詞節では、主語+be動詞である"it is"が省略されています。主語のitはGrad-CAM++を指します。省略される主語は、主節の主語(この文ではwe)と一致するのが原則ですが、文脈から判断がつく場合は、省略されることもあります。

 

F.o.R.の基本ルールだけで読んでしまうと、接続詞whenが作る副詞節の内側に主語と動詞が見つからずに文を成立させることができずに困ることになってしまいます。

 

なお、英語構文のエッセンス Stage-2のP65にも解説がありますが、「副詞節の短縮形」ではなく、「分詞構文の意味をはっきりさせるために、分詞構文の前に従属接続詞を置いたもの」という捉え方をすることもできます。大抵の場合はどちらの捉え方でも可能です。

 

また、図解では形容詞句の中なので特に記入していませんが、"as well as"はセットで等位接続詞として扱って良いかと思います。

"A as well as B"で「AだけでなくBも」という意味で、

A = better object localization,

B = explaining occurrences (of multiple object instances in a single image)

となっていると解釈しました。

 


ai-paper-for.hatenablog.com

  

 

薬袋善郎先生の公式ウェブサイト 

http://minai-yoshiro.com