AI Paper English F.o.R.

人工知能(AI)に関する論文を英語リーディング教本のFrame of Reference(F.o.R.)を使いこなして読むブログです。

Dropout | Abstract 第7文

During training, dropout samples from an exponential number of different “thinned” networks.

 

Nitish Srivastava, et al., "Dropout: A Simple Way to Prevent Neural Networks from Overfitting"

http://jmlr.org/papers/volume15/srivastava14a/srivastava14a.pdf

ノードをランダムに消去しながら学習することで過学習を抑制する方法であるDropoutについての論文の"Dropout: A Simple Way to Prevent Neural Networks from Overfitting"のAbstractの第7文について、英語リーディング教本のFrame of Reference(F.o.R.)を使って英文構造を解読します。

 

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「訓練中には、指数的な数からなる異なる「間引かれた」ネットワークから、ドロップアウトは標本抽出をする。」 

 

duringは前置詞です。trainingは名詞でduringの目的語になっています。

duringの意味・使い方・読み方 | Weblio英和辞書

 

この文の主語はdropoutで、述語動詞はsamplesです。辞書で調べるとsampleが動詞の場合は他動詞しかありません。

sampleの意味・使い方・読み方 | Weblio英和辞書

sample (verb) definition and synonyms | Macmillan Dictionary

しかし、この文ではsamplesの目的語になれる名詞がありません。つまり、この文はF.o.R.のルールだけから解釈しようとすると、英語構文的にうまく解釈できない英文となります。

過去に構文解析した文でも、他動詞の目的語がない事例がありました。

BERT | Abstract 第1段落 第2文 - AI Paper English F.o.R.

厳密に構文を理解しようとすると解釈が難しいですが、この文で著者が言いたいことはなんとなく伝わりますので、論文内容の理解の上では実害はあまりないかと思います。ただ、この英文を見たときに違和感を持つことは大事かと思います。なぜなら、F.o.R.の基本ルールとしては、他動詞の目的語が省略されることは想定されていないからです。おそらく、省略しても意味が通じるから省略しているのだと思いますが、私には正確な理由がわからなかったので、もし正しい解釈の仕方がわかる方がいらっしゃいましたらコメントいただけますと嬉しいです。

 

また、図解の中では省略されて示されていませんが、"an exponential number of different “thinned” networks"は「数量 + of 〜」の形です。"A of B"のAが「数量」「種類」「様態」を表す名詞のときには例外的にAとofが結びついて形容詞句になり、Bを修飾することがあります。したがって、"an exponential number of"という形容詞句が名詞のnetworksを修飾していることになります。そのため、この解釈の場合、前置詞fromの目的語は、numberというよりはnetworksになります。そのため、fromからnetworksまでが一つの副詞句となるので、一本の下線だけで引かれています。

 

thinnedは「間引かれた」と訳しました。「薄い」という意味もありますが、dropoutの説明としては、薄いというよりは間引くといった方が適切かと思います。

thinnedの意味・使い方 - 英和辞典 WEBLIO辞書

 


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