Fast R-CNN | Abstract 第5文
Compared to SPPnet, Fast R-CNN trains VGG16 3× faster, tests 10× faster, and is more accurate.
Ross Girshick, "Fast R-CNN"
物体検出タスクにおいて、特徴マップの再利用によってR-CNNよりも高速化に成功した"Fast R-CNN"のAbstractの第5文について、英語リーディング教本のFrame of Reference(F.o.R.)を使って英文構造を解読します。
「SPPnetに比べると、Fast R-CNNはVGG16を3倍速く訓練し、10倍速くテストし、そしてより正確である。」
"Compared to"は「と比べると」という意味です。論文ではよく用いられる表現です。分詞構文になっていて、コンマ以降の主節の文全体を修飾しています。
compared toの意味・使い方 - 英和辞典 WEBLIO辞書
前の文では、自身の研究であるR-CNNとの比較でしたが、この文では他者の研究であるSPPnetとの比較について述べられています。
Fast R-CNN | Abstract 第4文 - AI Paper English F.o.R.
前の文でも主語のFast R-CNN一つに対して3つの述語動詞がありましたが、この文でも同じく述語動詞が三つあります。trains, tests, isが述語動詞です。つまり、
- Compared to SPPnet, Fast R-CNN trains VGG16 3× faster.
- Compared to SPPnet, Fast R-CNN tests 10× faster.
- Compared to SPPnet, Fast R-CNN is more accurate.
という文が一つになっています。
主語一つに対して述語を3つ以上並列に並べる書き方は、論文では比較的珍しいように感じます。私は英語ネイティブではないので、この辺りの勘所はわからないのですが、著者の書き方の癖というよりは、前の文にも合わせてあえてそういうリズムでテンポよくアピールポイントを書き並べているのではないかと、私は推測しています。
等位接続詞のandでつながれていますが、and は最後に挙げる項目の手前にのみ用い、それまではコンマ(, )を打って「A, B, and C」(A、B、それにC)のような形で列挙します。
「Aも、Bも」と列挙する&項目を追加で述べる英語の言い方 | Weblio英会話コラム(英語での言い方・英語表現)
SPPnetの論文はこちらです。
https://arxiv.org/abs/1406.4729
Fast R-CNNの技術の概要については、画像認識 (機械学習プロフェッショナルシリーズ)のChapter 7 (物体検出)に説明があります。
薬袋善郎先生の公式ウェブサイト