AlphaGo Zero | Abstract 第3文
The tree search in AlphaGo evaluated positions and selected moves using deep neural networks.
David Silver, et al., "Mastering the game of Go without human knowledge"
囲碁AIであるAlphaGoの後継であり、プロ棋士の打った手を学習に使用せずにAlphaGoに100戦100勝0敗で勝ち越したAlphaGo Zeroの論文である"Mastering the game of Go without human knowledge"のAbstractの第3文について、英語リーディング教本のFrame of Reference(F.o.R.)を使って英文構造を解読します。
「アルファ碁における木探索は、ディープニューラルネットワークを使って盤面配置と選択された次の手を評価した。」
selectedは英語構文的には準動詞とも述語動詞ともどちらとも解釈可能ですが、AlphaGoの技術内容を考慮するとselectedは準動詞と解釈することが適切だと判断しました。
上記のselectedを準動詞とした解釈では、等位接続詞のandは名詞のpositionsとmovesを繋いでいます。どちらも動詞evaluatedの目的語です。準動詞のusingは動詞のevaluatedを修飾しています。
なお、selectedは③の過去分詞としても解釈できますが、「選択された」という意味の形容詞としても解釈できます。
selectedの意味・使い方 - 英和辞典 WEBLIO辞書
下記は、selectedが述語動詞だと解釈した場合です。
等位接続詞のandは述語動詞のevaluatedとselectedを繋いでいます。準動詞のusingはevaluatedとselectedにかかります。
この場合、evaluatedの目的語がpositionsだけになります。実際には次の一手movesもニューラルネットを使って評価していますので、movesもevaluatedの目的語だと解釈するべきかと思います。そのため、selectedは準動詞としてmovesにかかると判断しました。
「アルファ碁における木探索は、ディープニューラルネットワークを使って盤面配置を評価し、次の手を選択した。」
AlphaGo Zeroに関する概要はこちらの書籍でも丁寧に解説されています。
最強囲碁AI アルファ碁 解体新書 増補改訂版 アルファ碁ゼロ対応 深層学習、モンテカルロ木探索、強化学習から見たその仕組み
薬袋善郎先生の公式ウェブサイト