AlphaGo Zero | Abstract 第1文
A long-standing goal of artificial intelligence is an algorithm that learns, tabula rasa, superhuman proficiency in challenging domains.
David Silver, et al., "Mastering the game of Go without human knowledge"
囲碁AIであるAlphaGoの後継であり、プロ棋士の打った手を学習に使用せずにAlphaGoに100戦100勝0敗で勝ち越したAlphaGo Zeroの論文である"Mastering the game of Go without human knowledge"のAbstractの第1文について、英語リーディング教本のFrame of Reference(F.o.R.)を使って英文構造を解読します。
「人工知能の積年の目標は、挑戦的な領域で「白紙の状態」から超人的な技能を学習するアルゴリズムである。」
long-standingは形容詞で「積年の、長年の」という意味です。
long-standing とは 意味・読み方・表現 | Weblio英和辞書
tabula rasaはラテン語で「白紙の状態」という意味の名詞です。論文では"tabula rasa"が斜体文字になっていて、強調されている言葉であることが伺えます。つまり、AlphaGo Zeroが「ゼロから学ぶ」ということを強調するキーワードです。
ここでは、前置詞を伴わず「白紙の状態から」という副詞的な役割をしているので、副詞的目的格として解釈しました。動詞のlearnsにかかり、「白紙の状態から学習する」という意味です。ただし、前後にカンマをつけて挿入されている扱いですので、これはあまり厳密な意味で正しい解釈ではないかもしれません。
tabula rasaの意味・使い方・読み方 | Weblio英和辞書
thatは関係代名詞です。thatから文末のdomainsまでが形容詞節で、algorithmを修飾しています。thatの内側の働きは主語です。
superhumanは形容詞で「超人的な」という意味です。
superhuman とは 意味・読み方・表現 | Weblio英和辞書
proficiencyは名詞で「熟達、熟練、技能」という意味です。
proficiencyの意味・使い方・読み方 | Weblio英和辞書
AlphaGo Zeroに関する概要はこちらの書籍でも丁寧に解説されています。
最強囲碁AI アルファ碁 解体新書 増補改訂版 アルファ碁ゼロ対応 深層学習、モンテカルロ木探索、強化学習から見たその仕組み
薬袋善郎先生の公式ウェブサイト