YOLO | Abstract 第1段落 第1文
We present YOLO, a new approach to object detection.
Joseph Redmon, et al., "You Only Look Once: Unified, Real-Time Object Detection"
物体検出タスクにおいて、CNNのアーキテクチャをシンプルにすることで、Faster R-CNNに比べて識別精度は少し劣るものの検出速度が高速になったYOLOの論文である"You Only Look Once: Unified, Real-Time Object Detection"のAbstractの第1段落の第1文について、英語リーディング教本のFrame of Reference(F.o.R.)を使って英文構造を解読します。
「我々はYOLOという物体検出のための新しい手法を提案する。」
英語構文から少し話が逸れますが、タイトルにもなっているYOLOはおそらく"You Only Live Once"、つまり「人生は一度きり」が元ネタだと思われます。カナダ人ラッパーのDrakeが"The Motto"という曲の中で使ったのが由来だそうです。
この論文ではLiveをLookに変えています。「見るのは一度きり」といったところでしょうか。1つのニューラルネットワークでクラス分類とバウンディングボックス回帰問題の両方を解くことで検出速度を高速化したことを、YOLOという一言でシンプルかつオシャレに表現していて、とてもセンスあるカッコ良いネーミングで個人的にはすごく好きです。次々と新しい技術が発表される近年のディープラーニング業界において、人の心に響くネーミングセンスも少なからず重要であるように思います。
この「YOLO」という言葉は、2011年にカナダのドレイクという人気ラッパーによる楽曲「The Motto」の歌詞として登場しました。
「You only live once: that’s the motto nigga YOLO」という一節があり、「人生は一度きり それが俺のモットーだ」という意味です。ここからYOLOは広まりました。
そして2014年8月にYOLOはオックスフォード英語辞典に正式に記載されることになりました。
YOLOの技術の概要については、画像認識 (機械学習プロフェッショナルシリーズ)のChapter 7 (物体検出)に説明があります。
薬袋善郎先生の公式ウェブサイト