AI Paper English F.o.R.

人工知能(AI)に関する論文を英語リーディング教本のFrame of Reference(F.o.R.)を使いこなして読むブログです。

pix2pix | Abstract 第3文

This makes it possible to apply the same generic approach to problems that traditionally would require very different loss formulations.

 

Phillip Isola, et al., "Image-to-Image Translation with Conditional Adversarial Networks"

https://arxiv.org/abs/1611.07004

GANを利用した画像生成アルゴリズムの一種で、画像のペア変換を可能にしたpix2pixの論文である"Image-to-Image Translation with Conditional Adversarial Networks"のAbstractの第3文について、英語リーディング教本のFrame of Reference(F.o.R.)を使って英文構造を解読します。

  

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「これにより、従来は非常に異なる損失関数を必要としていた問題に対して、同じ一般的な手法を適用することが可能になる。」 

 

Thisは前の文を受けています。

pix2pix | Abstract 第2文 - AI Paper English F.o.R.

 

makesは第五文型の動詞です。

itはmakesの仮目的語です。possibleはmakesの補語です。

to applyは準動詞で、前の働きはmakesの真目的語、後ろの働きは第三文型の動詞です。

 

genericは形容詞で、「一般的な、包括的な」という意味です。

generic とは 意味・読み方・表現 | Weblio英和辞書

 

thatは関係代名詞です。thatから文末までが形容詞節で、problemsを修飾しています。

thatの内側の働きは主語です。

 

wouldは助動詞です。ここでは、「[過去の習慣・動作などの反復についての回想を表わして] …したものだった,よく…した」の意味で使われています。

wouldがなくても文の意味はわかりますので、読み飛ばしてしまいそうな単語です。しかし、このwouldという一単語によって、過去の研究との対比を表すニュアンスを表現しています。「過去は〇〇したものだったが、本研究によりその必要がなくなった」というニュアンスです。つまり、この論文の新規性を際立たせる効果がありますので、論文を読む上で重要な単語と言えます。

wouldの意味・使い方・読み方 | Weblio英和辞書

 

pix2pixについては、こちらの書籍でも取り上げられています。

 


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pix2pix | Abstract 第2文

These networks not only learn the mapping from input image to output image, but also learn a loss function to train this mapping.

 

Phillip Isola, et al., "Image-to-Image Translation with Conditional Adversarial Networks"

https://arxiv.org/abs/1611.07004

GANを利用した画像生成アルゴリズムの一種で、画像のペア変換を可能にしたpix2pixの論文である"Image-to-Image Translation with Conditional Adversarial Networks"のAbstractの第2文について、英語リーディング教本のFrame of Reference(F.o.R.)を使って英文構造を解読します。

  

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「これらのネットワークは、入力画像から出力画像への写像を学習するだけでなく、この写像を訓練するための損失関数も学習する。」 

 

"not only A but also B"の形で一つの等位接続詞と解釈しました。
英語リーディング教本のP130にも説明がある通り、F.o.R.では"not A but B"は合わせて一つの等位接続詞として扱います。

ここでは、一つ目のlearnと二つ目のlearnを等位接続詞"not only, but also"でつないでいます。

not only but alsoの意味・使い方・読み方 | Weblio英和辞書

 

mappingは名詞です。ここでは「写像」と訳しました。そのまま「マッピング」の方が理解しやすいかもしれません。「関数」という意味もあります。

mappingの意味・使い方・読み方 | Weblio英和辞書

 

"loss function"は損失関数です。機械学習分野では必ず出てくるキーワードです。

 

pix2pixについては、こちらの書籍でも取り上げられています。

 


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pix2pix | Abstract 第1文

We investigate conditional adversarial networks as a general-purpose solution to image-to-image translation problems.

 

Phillip Isola, et al., "Image-to-Image Translation with Conditional Adversarial Networks"

https://arxiv.org/abs/1611.07004

GANを利用した画像生成アルゴリズムの一種で、画像のペア変換を可能にしたpix2pixの論文である"Image-to-Image Translation with Conditional Adversarial Networks"のAbstractの第1文について、英語リーディング教本のFrame of Reference(F.o.R.)を使って英文構造を解読します。

  

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「我々は、画像から画像への変換問題に対する多目的の解決策として、条件付き敵対的生成ネットワークについて調査する。」 

 

"conditional adversarial networks"は、条件付き敵対的ネットワークです。

 

general-purposeは「多目的の」「汎用的な」という意味の形容詞です。purposeとは違って名詞ではありませんので要注意です。

general-purpose とは 意味・読み方・表現 | Weblio英和辞書

general purposeの意味・使い方|英辞郎 on the WEB:アルク

 

asは前置詞です。solutionは名詞で前置詞asの目的語です。general-purposeは形容詞で、solutionを修飾しています。"as a general-purpose solution"は形容詞節で、networksを修飾しています。

 

toも前置詞です。image-to-image, translation, problemsは全て名詞です。F.o.R.では、複数の名詞をひとまとめにして、全体で一つの名詞として扱います。したがって、前置詞toの目的語は"image-to-image translation problems"です。形容詞節となり、solutionを修飾しています。

 

pix2pixについては、こちらの書籍でも取り上げられています。

 


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May the Force be with you. (映画 Star Wars より)

May the Force be with you.

Star Wars

今回はAI関連論文ではなく、番外編です。私の好きな映画スターウォーズからです。

スターウォーズシリーズで有名な"May the Force be with you."というセリフついて、英語リーディング教本のFrame of Reference(F.o.R.)を使って英文構造を解読します。

 

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「フォースと共にあらんことを」「フォースとともにあれ。」 

 

これは、Weblio英和辞書にも掲載されている有名な言葉です。しかしながら、すんなりと意味を理解できる人はなかなか少ない文ではないかと思います。

may the force be with youの意味・使い方・読み方 | Weblio英和辞書

 

まず、Mayは助動詞です。このMayが文頭に来ているのはなぜでしょうか。

それは、配置転換である倒置がこの文では用いられているからです。こちらに関しては、薬袋先生が英語リーディングの奥義でお勧めしているコンパスローズ英和辞典 [並装]に解説がありますので、そちらを引用しながら説明させていただきます。

 

 

この文のMayは、コンパスローズ英和辞典 [並装]の巻末の文法解説にある「15. 配置転換→15.1 倒置→(4)その他の慣用的な倒置」に該当します。

mayを用いる祈願文、原形を用いた仮定法現在の慣用的な表現でも倒置が起こる

コンパスローズ英和辞典 [並装] 2222ページ

 

さらに詳しい説明が、mayの解説に書かれています。

(格式)願わくは…ならんことを。

「圧倒的な権威者」である神に実現の許可を求めるニュアンス:

May you always be happy! どうかいつまでもお幸せに。

コンパスローズ英和辞典 [並装] 1145ページ

スターウォーズでは、フォースは神聖な力として描かれていますので、「圧倒的な力をもつフォースに実現の許可を求めるニュアンス」があると言えます。したがって、Mayを文頭に持ってくる倒置がここでは起きています。

 

倒置がない場合の文はこちらのようになります。

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この文の述語動詞はbeです。beは助動詞の後なので、原形で用いられています。倒置でmayが文頭に行ってしまっても、そのまま原形のまま残っています。第一文型の動詞で、後ろには目的語も補語も

 

withは前置詞です。ここでは、「とともに」という意味で用いられています。

withの意味・使い方・読み方 | Weblio英和辞書

 

前置詞withの目的語は名詞のyouです。名詞しか前置詞の目的語になれません。前置詞の働きは「前置詞+名詞で形容詞句または副詞句となる」です。ここでは、"with you"が副詞句で、直前の動詞であるbeを修飾しています。

"with you"は形容詞句ではありません。なぜなら、形容詞句は動詞を修飾できないからです。もし"with you"が形容詞句であるとすると、名詞であるForceを修飾することは可能です。しかし、その場合はForceの直後に"with you"が来る方が自然であることや、文の意味から解釈しようしても不自然であることが、"with you"が形容詞句であると解釈することは無理があると言えます。したがって、"with you"は副詞句として解釈されます。

 

the Forceはこの文の主語です。文頭ではないのにFが大文字になっています。これは、一般的な意味でのforceではないからです。

(物理的な)力、強さ、腕力、暴力、(精神的な)力、迫力、説得力、勢い、力、強い勢力をもつ人

forceの意味・使い方・読み方 | Weblio英和辞書

 

スターウォーズの世界でいうフォースについても、weblioに説明があります。

語源
From the Star Wars film franchise, in which "the Force" is an omnipresent energy that can influence events and may be harnessed by gifted individuals.

may the force be with youの意味・使い方・読み方 | Weblio英和辞書

 

つまりフォースは、omnipresent energyであり、「どこにでもあるエネルギー」「普遍なエネルギー」ということになります。通常のforceとは区別するため、そして固有名詞でもあるため、フォースはthe Forceというように、先頭が大文字になっています。

omnipresent とは 意味・読み方・表現 | Weblio英和辞書

 

なお、冠詞のtheもセットで"the Force"であるのも、一般的なforceとの区別のためです。

The Force | Wookieepedia | Fandom

 

この記事の作成にあたり、下記ののサイトも参考にさせていただきました。とてもわかりやすく説明されていますので、ぜひご参照いただければと思います。

 

   

 


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AlphaGo Zero | Abstract 第8文

Starting tabula rasa, our new program AlphaGo Zero achieved superhuman performance, winning 100–0 against the previously published, champion-defeating AlphaGo.

 

David Silver, et al., "Mastering the game of Go without human knowledge"

Mastering the game of Go without human knowledge | Nature

囲碁AIであるAlphaGoの後継であり、プロ棋士の打った手を学習に使用せずにAlphaGoに100戦100勝0敗で勝ち越したAlphaGo Zeroの論文である"Mastering the game of Go without human knowledge"のAbstractの第8文について、英語リーディング教本のFrame of Reference(F.o.R.)を使って英文構造を解読します。

 

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「白紙の状態から始めて、我々の新しいプログラムであるAlphaGo Zeroは超人的能力にまで達し、以前公開された、チャンピオンを打ち破ったAlphaGoに対して100-0で勝利した。」 

 

"tabula rasa"は名詞で「白紙状態」という意味のラテン語です。この論文のAbstractの第一文にも登場したキーワードです。副詞的目的格として準動詞のStartingを修飾し、「白紙の状態から始めて」という意味になります。つまり、教師あり学習ではなく強化学習をフル活用したということを強調している言葉です。

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tabula rasaの意味・使い方・読み方 | Weblio英和辞書

 

superhumanは形容詞で、「超人的な、人間わざでない、神わざの」という意味です。

superhuman とは 意味・読み方・表現 | Weblio英和辞書

 

winningは分詞構文です。前の働きは文修飾です。後ろの働きは自動詞で第一文型の動詞で、100-0は名詞で副詞的目的格でwinningを修飾していると解釈しました。理由としては、薬袋先生が英語リーディングの奥義でお勧めしているコンパスローズ英和辞典 [並装]の2137ページのwinの自動詞の使い方として下記の例文がありますので、そちらを参考にしました。

We won 5-2. 私たちは5対2で勝った。

 

 

againstは前置詞です。

againstの意味・使い方・読み方 | Weblio英和辞書

前置詞againstの目的語はAlphaGoです。図解では省略されている部分を補足しますと、

  • previouslyは副詞でpublishedを修飾しています。
  • publishedは準動詞で、前の働きは形容詞、後ろの働きは第三文型の動詞の受身形です。基本からわかる英語リーディング教本では、"③のp.p."とも表記されます。前から名詞を修飾する分詞で、AlphaGoを修飾しています。
  • "champion-defeating AlphaGo"
    強いのはchampionなのか、AlphaGoなのか、どちらでしょうか?

    これは「チャンピオンを打ち破ったAlphaGo」という意味で、AlphaGoの方がchampionよりも強いです。

    champion-defeatingも準動詞で、前の働きは形容詞、後ろの働きは第三文型の動詞です。こちらも前から名詞を修飾する分詞で、AlphaGoを修飾しています。"③-ing"とも表記されます。ここで、defeatingの目的語がAlphaGoではないということには注意が必要です。defeatingの意味上の目的語は推測する必要があり、ここでは(人間の)championと解釈することができます。つまり、「AlphaGoを打ち破った」と解釈してしまうのは間違いということになります。「チャンピオンを打ち破ったAlphaGo」が正しい解釈です。こちらに関しては、基本からわかる英語リーディング教本の94ページに詳しい解決があります。

 

AlphaGo Zeroに関する概要はこちらの書籍でも丁寧に解説されています。

最強囲碁AI アルファ碁 解体新書 増補改訂版 アルファ碁ゼロ対応 深層学習、モンテカルロ木探索、強化学習から見たその仕組み

 


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AlphaGo Zero | Abstract 第7文

This neural network improves the strength of the tree search, resulting in higher quality move selection and stronger self-play in the next iteration.

 

David Silver, et al., "Mastering the game of Go without human knowledge"

Mastering the game of Go without human knowledge | Nature

囲碁AIであるAlphaGoの後継であり、プロ棋士の打った手を学習に使用せずにAlphaGoに100戦100勝0敗で勝ち越したAlphaGo Zeroの論文である"Mastering the game of Go without human knowledge"のAbstractの第7文について、英語リーディング教本のFrame of Reference(F.o.R.)を使って英文構造を解読します。

 

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「このニューラルネットワークは木探索の能力を改善することで、より質の高い手の選択と次の反復でのより強い自己対局という結果をもたらす。」 

 

resultingは準動詞です。前の働きは副詞で、

"This neural network improves the strength of the tree search,"

という文全体を修飾しています。つまり、主節に書かれていることの結果として何がもたらされたが"result in"以降に書かれており、原因と結果をつなぐ役割をしています。したがって、論文に書かれていることを的確に理解するためには重要なキーワードとなっています。

後ろの働きは自動詞で第一文型の動詞です。resultは必ず自動詞で、他動詞にはなりません。したがって、後ろに目的語はきません。

resultの意味・使い方・読み方 | Weblio英和辞書

特に、"result in"で「~は … という結果になる、・・・という結果になる、結果をもたらす、することになる」という意味です。

result inの意味・使い方・読み方 | Weblio英和辞書

 

inから文末までは副詞節で、動詞のresultを修飾しています。

副詞節の中は図示すると煩雑になるため、簡略化しています。

中身について補足すると、andは等位接続詞で、"move selection"とself-playを繋いでいます。

"in the next iteration"は形容詞節で、名詞であるself-playを修飾しています。

 

strengthは名詞で「強さ、強いこと、力、体力、強度、濃度、濃淡、(精神的な)力、知力、能力」の意味があります。ここでは「能力」と訳しました。

strengthの意味・使い方・読み方 | Weblio英和辞書

 

iterationは名詞で「繰り返し、反復」という意味です。機械学習の分野では繰り返し計算によって学習させて性能を向上させていくので、よく使われる単語です。

iterationの意味・使い方・読み方 | Weblio英和辞書

 

AlphaGo Zeroに関する概要はこちらの書籍でも丁寧に解説されています。

最強囲碁AI アルファ碁 解体新書 増補改訂版 アルファ碁ゼロ対応 深層学習、モンテカルロ木探索、強化学習から見たその仕組み

 


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AlphaGo Zero | Abstract 第6文

AlphaGo becomes its own teacher: a neural network is trained to predict AlphaGo’s own move selections and also the winner of AlphaGo’s games.

 

David Silver, et al., "Mastering the game of Go without human knowledge"

Mastering the game of Go without human knowledge | Nature

囲碁AIであるAlphaGoの後継であり、プロ棋士の打った手を学習に使用せずにAlphaGoに100戦100勝0敗で勝ち越したAlphaGo Zeroの論文である"Mastering the game of Go without human knowledge"のAbstractの第6文について、英語リーディング教本のFrame of Reference(F.o.R.)を使って英文構造を解読します。

 

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「AlphaGoは自分自身の教師となる。すなわち、AlphaGo自身の動きの選択とAlphaGoの対局の勝者を予測するためにニューラルネットワークは訓練される。」 

 

この文ではAlphaGo Zeroではなく、AlphaGoについての説明をしています。

 

コロン(:)は、コンパスローズ英和辞典 [並装]の2229ページの文法解説の、「(1)直前の節の言い換え、詳しい説明、事例の列挙を続ける」に該当します。ここでは「すなわち」と訳しました。

 

AlphaGo Zeroに関する概要はこちらの書籍でも丁寧に解説されています。

最強囲碁AI アルファ碁 解体新書 増補改訂版 アルファ碁ゼロ対応 深層学習、モンテカルロ木探索、強化学習から見たその仕組み

 


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